無名音楽家アブロニカの戦慄なリアルと最前線

ヒップホップ・ポストロック・エレクトロニカを主軸にしたラッパー&トラックメーカー、アブロニカのこれからを赤裸々に書き綴り。 日本中の90%を占める底辺音楽家のリアルと実情、日々思うことを書き殴ります。まれにDISリスペクトな記事あり。 無料の楽曲DLが受け取れるフリクルメルマガ配信中 http://frekul.com/artists/profile/call-it-anything

カテゴリ: 一押し音楽

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Aureoleというバンドを知っているだろうか?2007年に結成された6人組ロックバンドだ。
個人的にとても思い入れのあるバンドなのでこうやって記事を書いている。通常の4ピースロックバンドにキーボード、フルート、ヴィブラフォンのメンバーがいるプログレチックな音楽性、歌詞が日本語なのに英語の様に聴こえるボーカル、ミニマル音楽にエレクトロニカサウンドもあったりと、鋭いけどどこか優しい…そして緻密に構築されたアンサンブルで構築された音楽が魅力的だ。

作品を聴いてみた方が早いのでまずはこの曲を。全体の楽器のアンサンブルがミニマルなのにボーカルはどこか浮遊感がある。レディオヘッドが好きな人ならまずハマるかと思いきや、その中のファン層でも好き嫌いがハッキリ分かれる歌声だと思う。

でもこの声でなくては、このバンドの音楽性は成立しないとまで言えるほど、主張がこもっていると言っても過言ではない。音楽性からみても国外の方に評価されやすいけど、日本という分かりやすさを求める人種があふれている場所で知らしめようとする野心が見え隠れしているのがわかる。
 
個人的に彼らの曲の中では一番好きな曲でもあるこの曲。イントロ開始3秒でもってかれるぐらいどこか切ないメロディーでビビッとくる。王道的な美メロとは対照的に16分のハイハットが刻まれているにもかかわらずゆったりと流れるミスマッチさが癖になる。

一見すれば複雑な音楽性を奏でているバンドに見えるが、実はとてもパンク精神を感じさせるバンドだと個人的に思う。日本のポピュラーミュージック界は今の時代、とにかくエンターテイメント重視な音楽をやっているアーティストだけがピックアップされがちである。それはアイドルポップやボーカロイドやEDM(流石に少し陰りが見え始めたけど)が流行りのトレンドとなっている状況を見れば一目瞭然。

だけどAureoleはその風潮を自分なりに解釈することで、エンタメとは真逆のアート性を強く全面に押し出してきた。その時代の常識に疑問をもって、新しいシーンを再構築しようとする挑戦心がパンク精神ではあるけど、そういう意味でAureoleは立派なパンクバンドだと解釈できるのが個人的な意見です。

そんなパンク精神で9年間もの間活動してきたAureoleが11月20日の渋谷O-nestで最後のライブをする。思えば誰かのライブを見に行った時に解散ライブというのを今まで一度も見たことが無かった。このバンドのリーダーである森大地氏に、大変お世話になったと思っている自分としては、彼らの勇姿を見届ける予定が出来て本当に良かったと思っている。

どんな曲を演奏するのか?その日限りの何か特別な演出でもしてくれるのか?とても楽しみではあると同時に、どこか寂しさもある複雑な心情のまま、渋谷のO-nestに向かうことになるのは間違いない。解散したとしてもその人達の作品を誰かが愛聴している限り、いつまでも無くならないというのは音楽の特権…と言うのはまだもう早いですね。何はともあれ楽しんできます。では今日はこの辺で。

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高橋幸宏を筆頭に小山田圭吾やLEO今井、砂原良徳にTOWA-TEI、そしてゴンドウトモヒコという豪華なメンバーで構成されたmetafiveが自分の中でちょっくら話題になっています。既に一定の地位を得ているアーティスト達が組むバンドというのはやっぱりワクワクするものですし、一種の夢がありますね。

早速音源も聴いてみる…。中々いいですし、LEO今井がボーカルをとるとどんな曲でもオシャレなシティーポップに早変わり。そして歌詞にTAISOという単語がでてきて思わずニヤリとしてしまいそう。やっぱり高橋幸宏がいるからかYMOのエッセンスが散りばめられていますし、そこに軽めなロックサウンドが入ることでアップデートされたテクノポップになってます。普通にカッコいいですよこれ。

昨日書いたバリトンギターの記事の元ネタがこの曲から。小山田圭吾のベースギターの音色を聴いてこれは使える!!って思ったのがキッカケ。にしても全員が黒づくめでMETAの文字がついているツナギの様な衣装を着ている辺り、DEVOを意識しているのかな?と思ったり…。

そういえば彼らの世代や音楽性となるとDEVOに影響を受けてもおかしくない。曲にもその要素が垣間見えますね。そこあたりの世代もターゲットにしてるんだろうか?にしてもやっぱり統一の衣装で構成していると一体感が演出されるのがよく分かります。これがいわゆるセルフプロデュースってやつですね。

イントロが最高。リスナーを惹きつけるイントロというのはメロディーに魅力があるか、奇天烈なインパクトのどっちがあるかで決まってきますがこれは後者ですね。無機質な曲調が続いているけど中盤から幸宏のドラムソロ突入、そこからバンドサウンド特有の肉体的なアンサンブルが展開されるあたり、一人一人のメンバーがただ者ではないことが分かります。こういうバンド組みたいなぁ…。

豪華メンバーが集まってるからこそ若手と組まないのか?

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これだけのメンバーが集まって何かの作品を作る事自体が胸躍るんですが、だからこそやってみてほしいのが10代後半~20代前半までの若手の音楽家とのコラボなんですよね。この音楽性だったら、「ぼくのりりっくぼうよみ」とか良い感じにハマると思うんですがどうでしょうか?

やはり似た音楽性とキャリアがそれなりにある人達だけ集まるっていうのは、これからの時代に向けて新鮮味が無くなってもおかしくないと思うんです。そこにはやっぱり意外性が欲しくなるわけで…。洋楽でも同じように、大御所同士で共作をしたりする事はありますが、そこにも若手のアーティストが混ざることはごくまれです。アートを発展させるためには、人対人で作品を作っていく以上ケミストリーが巻き起こらないと楽しくないのです。ヒップホップの話しですが、Pumpeeと加山雄三のコラボなんかは良い例ですし。

もちろんMetafiveの曲はカッコいいですし、今後どうなるのかも気になりますが、キャリア組がバンドを組むことに一つ疑問点があったので、こんな記事を書いてみた訳です。20代の音楽家と60代の音楽家のコラボとかないかな…?細野晴臣なら突発的にやりそうな感じがしますが…。では今日はこの辺で。

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出典:twitter.com/creepy_nuts

バトルブームは本当にヒップホップの発展性に繋がるのか?と考えるとまだ疑問が残る。ブームの広がり方も考えなくてはただの韻踏み遊びな音楽だと思われてしまうし、リアルを伝える、コンプレックスを武器にして高らかに伝えるのがヒップホップの本質ではあるけど、そこらへんがまだ通じきれてない様子はまだ拭えていない。

だけどR指定は間違いなく今後のヒップホップの印象を変えていくのは間違いないでしょう。フリースタイルダンジョンや高校生ラップ選手権といったメディアにもし彼がいなかったら今のブームの規模も変わっていたことは間違いありません。

まず、見た目が既存のラッパーとは違う点…この点は意外に大きいと思います。どうしてもラッパーというと未だにステレオタイプなB-BOYを思い浮かべてしまう人達が多い。しかしR指定は外見だけ見れば、どこにでもいそうだけどひげが凄いあんちゃんという感じにしか見えません。

とてもラップをやってる風には見えない一般人の様な風貌…メディアに出演する立場になればなるほど、外見というのは重要になってきます。現実的な話しをすると人というのは視覚で80%ちょっとの情報量を判断していると言われています。となれば情報を発信する側も外見を見直すことで、印象に残せる割合が増える…R指定がそこまで考えた上でやってるのかどうかは不明ですが、少なくとも典型的なB-BOYファッションよりもは巷に対する印象が変えられるはずです。


スキルはもはや言わずもがなですが、R指定は解説においても一級品です。ここで大事になってくるのがヒップホップを知って間もない層にもこの音楽の醍醐味を知ってもらいたい…それを意識して的確で分かりやすい解説をしているのがもはやこのコンテンツの楽しみになっています。

ヒップホップという分野はどうしても村社会的な一面があるので、そこをもっと間口を広げて全体のシーンの底上げをするには彼の様な初心者にも問題なくこのコンテンツの楽しみ方をレクチャーできる人間が不可欠になってきます。しかし10回目の解説は本当に高レベルで誰も気づかない点も丁寧に解説していく彼のヒップホップマニア度はどうなってんだ…と思わず感心しますね。

彼のライブを見れば分かりますが、ライブの展開の仕方以外にも話しの上手さが際立っているのが分かります。従来のラッパーの様に、曲間で一方的にフリースタイルをかましていく手法とは違って、観客との一体感を大切にしているのが伝わってきます。唯一無比な言葉を言い放つラッパーのフリースタイルを聴き込むのも良いモノですが、今の時代だとR指定の様なライブのやり方の方がお客さんは求めている節があるのは事実です。

以上、R指定のこれからの可能性について記事にしてみました。バトルブームだけで終わってほしくないですね。ポップスやロックよりもカッコいいヒップホップをかましてる人達沢山いますから。では今日はこの辺で。

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赤色スプレーで全体を塗りたくった自転車で環七沿いの道路を漕ぎまくるGEZANはホントにクレイジーな存在ではあるけど、ドラマーのシャーク安江が脱退した時は本当に驚いた。

バンドメンバーの脱退なんて本当によくある話しだけど、彼らの場合は別。あまりにもメンバーの個性が強烈で、正直他にメンバーが入るなんてことはありえないだろうし、この内の誰か一人が脱退したらGezanは解散するしかないだろうと思っていたから、まさか新メンバーを募集しているとは思わなかった。だけどその文章があつ過ぎる。
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ドラマー募集について
もう既にメンバー募集は終了していて、スタジオに入ってリハを繰り返している模様。
だけどこのドラマー募集の文章にマヒトの核になる部分が要約されている気がしてならない。
メンバー募集をしようと思う。
パートはドラム。テクニックなんかどうでもいい。
シャークのかわりじゃない。ここからはじめるつもりでいる。

高校生の頃、オレはバンドがやりたくて仕方がなかったが、周りに誰もいなくていつもイライラしてた。
カッターナイフを後ろポケットにいれて、やり場のない気持ちを何かにぶつけたがっていた。わかりやすいくらいに鬱屈としていて、ヤンキーというよりファンキーな、なんだろう?一言でいうと、わけのわからないやつだったと思う。

オレがはじめて音楽の話をしたのは高校を卒業して大阪に引っ越して出会ったイーグルだった。
オレはその時のきらめいた気持ちを今でも忘れない。GOLDEN TIMEがこれからはじまるんだ。こいつとバンドをしようとはじめて会ったその時に勝手に決めた。

オレはこのメンバー募集であの日のオレに出会おうと思った。
そのきらめきにかける。何もやり場がなくて、どこにぶつけていいかもわからない、あの日のオレの気持ちに会いたいと思った。

別に年齢の話じゃない。15歳でも35歳でもいい。YOUTHはそんなものでは測れない。音楽が好きで、ただ何かをかえたいそういうヤツに会えたらいい。
学校だとか会社だとか、まどろっこしい明日が動けないネックならそんなのは捨てればいい。ドラムのテクニックなんかしらねーよ。アホほど今からスタジオに入ることになる。


田舎に住んでるやつは東京に引っ越してくればいい。金がなくて家がなければオレの家に住め。GUAYSのヒロシと三人暮らしだ。
思えばオレたちも最初からGEZANだったわけじゃない。7年かけて、GEZANになったんだ。

シンプルな話だ。7年かけてオレたちになろう。ロックバンドは最強なんだ。

もう何も怖くない。悪魔とDEAL、電話を一本、すべてを手に入れろ。
GEZANとこれからを歩める人、連絡待っています。
下の番号はマヒトにつながる。

会って話しをしたい。

なんにせよ電話だ。声をきかせてほしい。

マヒトゥ・ザ・ピーポー(GEZAN)

性別、年齢、テクニック、キャリア一切問わず、年齢ではなく精神年齢を重視、環七をママチャリで爆走できるヤツ(こういう文章が実に彼等らしい)。GEZANの歌詞の内容だとかマヒトの発言はどこか難解だけど、結局のところ言いたいことは、どでかいことをしたい…熱い気持ちで音楽をやり続けたいという要素に尽きるんだと思う。どれだけ言葉を使いこんで歌詞を作っても、ベースとなる部分はとてもシンプルなメッセージになるのは世界共通なのかもしれません。

ドラムのシャークが抜けても3ピースで強引にでもライブをやり続ける彼らのスタンスに心を動かされる…。こういう必死さがあるときは、テクニックなんかどうでもよくなるぐらいに凌駕するライブになることが多いけど、これはこれでリアルさが伝わってきます。動画の続きもあってドラマーオーディションの様子も撮影してるし、もーこういう音楽系のドキュメンタリー映像本当に大好きです。GEZANのこのバイタリティーには本当に驚かされますね。

School of FUCKを聴いた時から彼らの音楽は耳にしていたし、全感覚祭、代官山ユニットのワンマンライブにも行きましたが、あれから1年たって、狂気さと切なさとポップさが良い具合に整った状態に仕上がった感が半端じゃないです。だけどシャークのいたGEZANはこれで終わってしまったのは事実。だけど偶然にもこのアルバムでそれまでのGEZANの音楽像が完成した感があります。

狂気さだけでは聴きづらいし、かといってポップさだけあってもそれはGEZANでなくてもいい訳だし、その両方を兼ね備えたNever end rollはある意味絶頂期のGEZANの作品であると言えるでしょう。ドラマーも変わって新体制になったらどんな音楽に変わっていくのかが楽しみです。ただ、オリジナルメンバーで長く活動してきたバンドは新メンバーを加えると、短い期間で解散してしまうケースが本当に多いのでまだ何とも言えませんが。では今日はこの辺で。

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アーティストが音楽活動をする上で、SNSを使ってオーディションやライブ審査に落選しましたという報告をするのは実は諸刃の剣だとも言えます。この人を応援したい…リスナーにそう思わせるのがアーティストとして長いスパンで活動していく為に重要となってきます。

なので何度も何度もオーディションに挑戦して数多くの落選報告をするっていうのは応援してくれる人達を手放してしまう行為にすらなりかねないんです。

挑戦する姿勢に皆は関心を持ちますが、失敗した時の反応というのはとても冷ややかなもので現実は非情だなと言いたくなる時もあります。しかし今日の記事でピックアップする狐火というラッパーは、その挑戦に失敗したという事実が逆に活きるという稀有なアーティストさんなんです。
以下、公式からプロフィールを引用。

狐火(Butterfly Under Flaps.)

福島県出身のラッパー。

1000組のバンドを黙らせた1本マイク。

独立独歩のPRR(ポエトリーリーディングラップ) 。

 

2012年 SUMMER SONIC出演。

2013年 B-BOY PARK出演。

 

 

色んな意味でピークは過ぎたと周りに言われているが、まだ本気は出していない


彼を知ったのは2011年の時、2chのスレで最近カッコいいラッパーは誰がいる?みたいな議論になっていた時に頻繁に狐火という名前が挙がっていたので、地元のツタヤに行ったらたまたま彼のアルバムがレンタルされていたので聴いてみたのがキッカケ。

いつでも聴けるほど能天気なラップをしている訳じゃなくて、その内容はネガティブさが満載。だけど現実を直視した上でのリアルを彼は語っていた。そこに面白みもあったし、自分がイベントを主催するとしたら一度はオファーを出したいと思っていた。(文字通り共演できたのでこの上ない嬉しさがありました。)

でれんの?サマソニにエントリーして、無事に受かってライブすることを達成。当時、新聞の記事にモモクロと一緒に彼の名前が記事になっていたのを見て、自分の事の様に嬉しく思ったし、漢 aka gamiの言葉を借りれば、「いよいよ来たなぁこの時が」状態だった。

とは言うもののそこから数年経っても、夏フェスにでることはなく、遂には夏フェスオファー0なんていう曲すら自らアップロードしている。はっきり言ってアーティストであればこういう事実はひた隠しにしたいと思うのが普通。

だけど狐火は就活の苦悩からライブのノルマ、停滞している自分の現状も何もかも隠すことなくさらけ出している。ここまでリアルを歌っているとリスナーは、重さを感じて離れてしまうのが当たり前なんだけど、不思議と彼が泣きながらリアルを語っている姿を見ていると応援したくなる…そんな気持ちになってしまうのである。そして彼の才能は正にここにあると言っても過言ではありません。


最新作の33歳のリアル…一番初めに聴いた27歳のリアルからもう6年も経ったのかと思うと色々と感慨深いです。「ハッピーエンドを遠ざけたのも自分のせいだ」の部分が重くのしかかります。
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CDJのオーディションに落っこちてもこうやって曲にして活動を今でも続けている。オーディションに失敗しても、周りの同業者と差を付けられても延々とライブ→曲作りのループ作業を何年も長く続けているスタンスに改めて強みを感じさせますね。

「俺は凄いヤツだ。金もあるし、女にもモテルし、車だって高級車」みたいな非リアルな姿勢を歌うラッパーが数年も続かずに活動をやめていくのに対して、狐火の言葉の重みや打たれ強さ…というかしぶとさは、そんな猿真似ラッパーよりもずっと強靭だと思います。

自分を誇示するという表現を曲に落とし込むのがヒップホップの醍醐味ですが、彼は見せかけじゃない真の意味でセルフボースティングを体現している…そう言えるのではないでしょうか?という訳で仕事に悩んでいる人達は狐火のラップを聴いてみてはいかがでしょうか?ヒップホップをあまり聴いた事がない…そんな社会人にこそ彼の音楽は響くはずです。では今日はこの辺で。



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