無名音楽家アブロニカの戦慄なリアルと最前線

ヒップホップ・ポストロック・エレクトロニカを主軸にしたラッパー&トラックメーカー、アブロニカのこれからを赤裸々に書き綴り。 日本中の90%を占める底辺音楽家のリアルと実情、日々思うことを書き殴ります。まれにDISリスペクトな記事あり。 無料の楽曲DLが受け取れるフリクルメルマガ配信中 http://frekul.com/artists/profile/call-it-anything

カテゴリ: 一押し音楽

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出典:https://camp-fire.jp/projects/view/16906

ぼくのりりっくのぼうよみ…略してぼくりりなんて言われているまだ10代後半のアーティストの活動の仕方がめちゃめちゃ面白い。

なんとクラウドファンディングを使って、自分が発信元となるメディアを作ろうとしているんです。こんな発想をするアーティストは今まで見たことない。

楽曲の内容もとにかく歌詞が文学的。難解なんだけど若干意味が分かりそうな感じという絶妙な言葉選びで構築されている。そんな彼のプロジェクトのリンク元はこちら

レーベルに所属しているアーティストが音楽専門のmuevoを使わずにcampfireを選んでいるあたりがひと捻りきいていて興味深いなあ。

今までミュージシャンがクラウドファンディングを使ったプロモーションをすることは多々ありましたが、ここまでスケールのでかいプロジェクトに挑戦している姿勢には年下関係なくリスペクトですね。

しかも文章の内容が10代後半だと思えないぐらいスマートで知的な雰囲気が伝わってくるし、構成もしっかりしてて、親御さんはどういう教育をしてこんな息子さんを育てたのか気になる…。

コピー出来ない物体で攻めたリターン内容。
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自分はここらへんの額で支援したいかなと思ってます。ぼくりりのトレーナーとか普通にオシャレそうだし。クリアファイルやポストカードにフォトブックと、コピー出来ない物体でリターンしようと考えているあたり、クラウドファンディングのノウハウも分かってる様子ですね。

CDも恐らくはyoutubeに放流されるんでしょうけど、リリースと配信予定なしの音源とかだったらやっぱり欲しくなります。

以上、ぼくりりの活動についての記事でした。レーベル側のサポートもあるから500万なんていうビックプロジェクトが出来るんでしょうけど、それでもこんな若いアーティストがクラウドファンディングを使って音楽活動をしていくという事実に衝撃を受けたし、なにより刺激になります。

本当に今の時代は音楽活動の仕方と利益を得る方法が模索されていて、新しい活動モデルを開拓しなくてはいけないんだなとつくづく思い知らされました。では今日はこの辺で。

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名作と言われているアルバムにはアートワークも印象的なものであることは本当に多いです。
楽曲にこだわるのはもちろんだけど、その楽曲とリンクしたような写真…またはアートを思わせるジャケットを作ろうとする意気込みが色褪せない作品にさせるんです。ということで、自分が今まで聴いてきたアルバムの中で名作と言えるアートワーク…もとい名ジャケットを紹介していこうと思うよ。

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ビートルズのアルバムではこれを超える作品はない。サージェントペパーズも好きだけどやっぱり実験的で革新性のある作品でいったらリボルバーに軍配があがります。メンバーの似顔絵が妙に作品とリンクしてるのが最高。

サンプラーもシーケンサーもない時代にクラブミュージック作っちゃってます。


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ドナルド・フェイゲンの名作。これぞTHE・大人向けロックな渋すぎる名ジャケット。写真一枚見ただけでどんな音楽なのかも予想がつく分かりやすさと、オシャレさが共存した理想的な一枚ですね。

プロのエンジニアが参考にするくらい理想的に調整されたミキシング。程よく削られた音数と渋みのあるボーカル、そして皮肉が込められた歌詞…ポピュラーミュージックは子供だけが聴く音楽ではないことの証明ですね。



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お次はJazz。ちょっと背伸びして、周りのガキっぽい連中とは一味違うんだぜとアピールしたい高校生や大学生にはこれをおススメしたい。このジャケットの素晴らしい所は、ハズレを引かないオシャレさなんです。大抵どんな人に見せてもダサいという声はききません。

Jazzには抵抗がある…そんな人にもオススメ出来るほど分かりやすいメロディーラインが魅力的。渋さを身にまとった違いの分かる男を目指そう。


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Jazzはオシャレなだけでなく、ポピュラーミュージック以上に危なく、狂っている音楽だとも言える。
ドクロの頭蓋骨にハイビスカス柄やカラフルに色づけしていくという常軌を逸したアートワークだけどいざやってみたらとてもCoolではないか。

内容も実に強烈。ミニマルに鳴らされるアフリカンなリズムと破天荒なプレイを吹きまくるサックス…これはジャズというよりはロック的な風味も感じられます。Zazen boysの向井秀徳もお気に入りの一枚。


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次はヒップホップでいきます。この幻想的でドリーミーなアートワークがたまりません。思えば名盤のジャケットっていうのは音楽の内容にかなりリンクした一枚なのか、それか一ジャンルの様式美から脱却したギャップのある写真が多いですね。

ヒップホップに抵抗がある人ほど、Nujabesの音楽を聴くと偏見がなくなっていくこと間違いなし。
どこまでも優しく、なおかつオシャレなビートは日本のヒップホップの1つの頂点です。


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日本語ラップ界の名ジャケットと言っても過言ではありません。不可思議ワンダーボーイの死という永遠の別れではなく、逆に旅立ちという前向きさを思わせる雰囲気がこのジャケットからは感じられます。

もはや説明はいらないぐらい感情を揺さぶられます。



という訳でジャケットから音楽の魅力を紐解いてみました。少なくとも聴いて無駄な時間を過ごしてしまう様なアルバムは一枚もありません。音楽を聴いてどういうアートワークが良いのか適正判断してくれるロボットがあれば、すごい便利になるなとは思うんですが…。では今日はこの辺で。

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アーティストが本当にやりたいこととレーベルやリスナーが求めるものが相反していくにつれて作り手の音楽家としての精神はどんどん疲弊し切っていく…そんなケースは珍しくないと思う。売れるか?売れないかを基準にレーベル側はアーティストの考えや意見を無視し、半ば強制的にヒット曲を作らされるという負の循環が積み重なっていくほど、悲惨な関係はない。そうなってしまったのが一時期のビーチボーイズなんだと思う。久しぶりにペットサウンズを聴いたらちょっと記事にしてみようと思ったので、書いていこうと思う。

ブライアン・ウィルソンという繊細な男の悲劇
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後にビートルズと並ぶぐらいのレジェンド級のバンドのメンバーで、後世に影響を与える楽曲…そして名盤とされるペットサウンズを作り上げた偉大なミュージシャンがこのブライアン・ウィルソンである。彼がいなくてはビーチボーイズの楽曲は成り立たない。まさにバンドの核と言ってもいいくらいである。
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バンド名がバンド名なだけに明らかに夏の海やサーフィン、車などを連想させる曲ばかりをつくっていたのがデビュー当時の彼等だった。なのでアルバムのアートワークやステージ衣装、髪型から何から何まで夏をテーマにした雰囲気を前面に押し出していた。

ではブライアン・ウィルソンに巻き起こった悲劇とは何か?それは異常ともいえる制作期間の短縮を強いられたこと。アーティストというのはリリースペースが速いタイプでも1年にアルバムを1枚か2枚リリースするのがやっとである。ところがデビュー当時のビーチボーイズは何と1年にアルバム3枚もリリースしていたのである。それもこの時期は2年続いた。サーフィンが出来ないのにビーチボーイズと名づけられ、夏をテーマにした曲ばかり作り続けられたブライアンは音楽を仕事にしているのではなく、ただの労働をしていたにすぎないのではないでしょうか?

外部からの情報を自分なりに解釈してアウトプットするというのはそう簡単に出来ることではないし、どうしても溜める期間というのは必要になってくる。1年で3枚のアルバム制作となると、アーティストの初期衝動が尽きないか、強引に作らされている状況にでもならなければありえないことなのです。結果、楽曲制作の要だったブライアン・ウィルソンは1964年からライブ活動を辞めて制作に絞った活動を展開していきます。しかしこの時点でも悲劇の序章にすぎません。

当時は全く評価されなかったペットサウンズ。
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一見すればこのジャケットはなんの変哲もない写真ですが、ビーチボーイズの背景を知っている人間からすればとても異質なジャケットです。あれだけ夏を前面に押し出してきたバンドが突然こんなジャケットで新作をリリースするというのはリスクを伴った冒険だと言えるんですよ。

実質ブライアン・ウィルソンのソロとも言えるこの作品が評価されるのは数十年後になるのですが、リリース当時の反響の悪さにショックを受けたブライアンの心身は徐々に悪化していきます。次作の予定としていたスマイルの制作も中止になり、なんとそこから20年もの間、表舞台から姿を消すことになります。今で言うひきこもりに近い状態ですね。

このアルバムは一度聴いただけではその良さは分からないでしょう。だけど予想をつくアレンジ、お手本クラスなコーラスワーク、テンポの変化で意表を突いたりと、たった2分ちょっとの曲なのにブライアンのオリジナリティーがこれでもかと込められています。しかも今の楽曲作りにも活かせるかの様な転調の仕方も加えて紛れもなく時代にのこる名曲と言えます。

そして製作期間なんと30年という長い年月を経てスマイルは完成しました。こうやってみると本当に歳をとったなぁ。現在74歳で生きる伝説と化したブライアンですが、死を選ぶことなく作品を完成させたという事実は感動的ですね…。やりたいことと求められていることの違いに苦しみ、どん底にまで落ち込んだ後の復活劇は王道だけどやっぱり心揺さぶられます。では今日はこの辺で。



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個人的にサーフズ・アップのアートワークは名ジャケットと言ってもいいくらいのカッコよさ。ビーチ・ボーイズという名前からはかけ離れたダークな雰囲気が最高過ぎてギャップを感じます。壁に飾りたいくらいクールなデザインですよね?

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まずはこの画像を見てほしい。車に乗って道路を走ってて、こんなパン1のオッサンに出くわしたらどう思うだろうか?念のために言っておくが、彼は犯罪者でも変質者でもない。年がら年中この格好でいるが音楽だけで飯を食ってる正真正銘のミュージシャン、その名もクリトリック・リス。

名前がズルい。卑怯すぎる。ちなみにこの動画はあくまでMV撮影の一環として行われているが、こんなヒッチハイクをする人は恐らく海外でもいないと思う。しかもこの後なかなか車が捕まらず、監督と喧嘩したというエピソードも面白すぎる。


代表曲でもある「バンドマンの女」。一見すればただの下ネタにまみれたコミックソングでしかない。だけどバンドや音楽をやったことのある人ならよくよく聞くと心にグッと来ないだろうか?ライブハウスでありがちな光景をディテールを細かくした歌詞が吐き出されていく。…そしてチープな打ち込み音というこのミスマッチさが実にたまらない。

何が凄いってこの人自体がバンドをやったことがないのにも関わらずこんなリアルな歌詞を書けてしまうという妄想力の強さ。意外と見ている立場にいる人の方が共感する歌詞が書けるのかと疑ってしまう。笑えるんだけど泣ける…こんなキャッチコピーを掲げられるアーティストは彼以外に知らない。

ブログのタイトル通り、47歳という年齢でソニーからこの曲をリリースすることが決まっている。36歳で音楽経験一切なしの状態から、この年齢でデビューするなんていう話しは日本の邦楽史の中でも多分初かもしれない。しかもこの内容…よくOKサインがでたなと思う。甲本ヒロトの耳に届く日は近い。彼ならむしろ笑って許す展開しか思い浮かばない。

これをメジャーのレーベルでリリースする事自体がもうパンク。ぎゅうぎゅうの夜行バスに揺られ、たった30分のライブの為に往復14時間の移動を繰り返すこのオッサンのバイタリティーもとんでもないけど、この曲は間違いなくクリトリック・リスにしか歌えないパロディーソングの名曲。
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そんなパン1スタイルな47歳のオッサンが何と代官山ユニットでワンマンライブを決行する。去年の今ぐらいの時期には渋谷wwwでワンマンライブをやってソールドアウト。そして今度はよりキャパが広くなったユニットという場所でライブをするのだから着実に進歩している。

最後に言っておく。人生で一度はこの人のライブを見ておくべきです。仮にライブを見てつまんなかったとしても3300円分の損害でしかありません。ハマる人にはとことんハマります。

10月に山下達郎のライブを見ましたが、ジャンルは違えども互角とも言えるライブをしてくれる人ですからマジで必見。達郎orスギムと言っても言い過ぎではありません。マイク一本と小さなmp3プレイヤーだけなのに全く退屈させません。下ネタのナポレオン恐るべしです。彼がMステ出る様になったら、間違いなく邦楽界は変わる。では今日はこの辺で。

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R&B界の重鎮プロデューサーである松尾潔のインタビューを読んでたら、彼がプロデュースしたm-floのcome againが無性に聴きたくなったので早速youtubeを使ってThe・タイムスリップ。

今から15年も前になるかと思うと、時の流れは早いなー。今の若い人が聴いてもラップの部分を抜かせば普通に聴けるぐらい色褪せてないんじゃないかと思う。古臭く感じるのはMVのガラケーだけですね。後はパーフェクトです。

これほど2ステップを独自に解釈して、洗練されたJ-POPはそんなになかったはずです。片田舎の街並みでもこれを聴きながら歩くだけで都会を歩いている様な高揚感に浸れるから凄い。

「Woo こっちからかけてもいいけど my pride gets in the way」という歌詞がありますが、英語と日本語を混ぜる場合、結構諸刃の剣なもので、バッチリはまればカッコいいんですけど、使い方を誤ればとんでもなくダサくなることが多いです。

この一節も歌詞だけ見れば、きどりすぎて空回りしてもおかしくないんですが、ハイセンスなトラックとLisaが歌うととても洒落乙な歌詞になるんだから面白いですよねぇ。歌詞っていうのは音楽になって初めて意味を持つんだなと。

サビ部分の歌詞で「金曜日のスカラに君を忘れに、踊り明かすよ今夜 切ないメロディーに涙しないようにクールにね」という部分がありますが、これは一見すると恋人に相手にされず、クラブで踊り明かす女性というどこか哀愁を感じさせるシチュエーションを歌っていますが、ここもまたトラックとメロディーライン、歌声が加わると、オシャレなんだけど切ないという不思議な雰囲気になります。重すぎず切ないけどオシャレな感じという絶妙なバランスで成り立っている訳です。凄いぞm-flo。
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出典:musicman-net

この曲はトラックが実に丁寧に作られていて尚且つ、メジャーでリリースする音源にしてはかなり冒険してます。ハープ音、バックで流れる優雅なストリングス、909や808のハイハット音、コード部分を担当するピアノ音、ラップ部分で流れるライブ感あふれるブレイクビーツにせわしなく動くベースライン…R&Bや2ステップの基本事項をしっかり押さえた軽快かつオシャレな雰囲気がたまりません。思えば、自分もトラック制作する時にR&B風となったらこのニュアンスを無意識にイメージして作る事多いですね…。

加えてこの曲の凄い所はコード進行が意外と複雑なのにメロディーラインがポップだから難解さを感じさせない所です。しかもベースがルート音を刻むだけでなく、ウネウネ動くのでコードの解析がちょっと難しい。難解だけどポップ…このアンバランスさを狙って作ることは本当に難易度が高くてそうそう出来ることではありません。

さらに、ここまで展開がハッキリ分かれているドラムパターンも珍しいです。大抵、ヒップホップやR&Bを主体にしたトラックだと、1つか2つのリズムが延々ループする作風が大半なんです。だけどcome againのリズムパターンはイントロ→Aメロ→A’メロ→サビ→ラップと全ての展開でパターンが違います。

それもドラムのリズムパターンにストーリー性があってメロディーラインの展開と上手い具合に噛みあっている訳です。正に曲作りに妥協するスタンスは一切見せないという職人肌を感じさせるビート。リズムパターンを少し作ってあとはループさせればいいやと思ってトラックを作ってる人とは雲泥の差…。

名曲は聴くたびに発見があると言われていますが、歌詞にしてもサウンドにしても15年経った今になって発見できる要素がこの曲にはありました。文句なしにJPOPの歴史に残る名曲だと思います。自分もこんな曲作れるよう精進。では今日はこの辺で。



個人的にsmoothはかなり聴き込んだコンピなので誰が何と言おうと思い出に残る作品です。松尾潔マジでリスペクトです。

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