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ギターを始めた頃にどんなアーティストに惚れ込んでコピーしていったかでそのギタリストの人生は大きく変わってくる。

コードジャカジャカ派なのかフルピッキングピロピロ派なのか君はどっち?と聞きたくなるがギターを弾き始めた頃のキッズというのはとかく速弾きに走りがちだというのはあながち間違ってはいないと思う。

理由は簡単。速弾きの方が凄そうに見えるから。この一言に尽きる。10代というのは一見して分かりやすい凄さに魅了されやすい世代だ。ジャカジャカ派の弾き語り勢の諸君はこれを機に部室で誰も聞いちゃいないのになんとか振り向いてほしくてドヤ顔で速弾きを披露しているキッズの心情を察してもらいたい。
 


やはり速弾きギタリストといったらイングヴェイだろう。ギターを弾き始めたころの自分にとって彼の存在は神そのもの。イングヴェイ is GOD。ヴァイオリンの速弾きをギターでアウトプットした彼は当時の自分にとって憧れの存在だった。



もっというとコイツより上手いギタリストは世界中に存在しないとすら思っていた。完全に信者のそれだ。邦楽とかショボwww洋楽アーティスト最強wwwという随分捻くれた価値観がここで形成されてしまった。

高速の豚とか言うモノならてめえインギー様に喧嘩売ってんのかとまるでDMCのクラウザーを崇拝する信者の様だったのは言うまでもない。それくらいとにかく夢中になって彼の速弾きをコピーしまくった。

当時、中学生だった時の自分のクラスには奇しくもギターを弾き始めた男子が多かったのでインギーの曲を弾ければ…弾ける様になれば…!!大してイケメンでもなくギターが上手い訳でもないくせにクラスで目立ってて調子づいたムカつく奴らに一矢報いることが出来る…!!!

そんなネガティブパワーを原動力にしてとにかく速弾きに夢中になった。少なくとも2,3年はこのスタンスを貫き負の力でギターのスキルを上げていた時期、ふと考えが変わる瞬間が訪れる。

ギターはテクニックではなく味が大事。
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著作者 Alexander Master

速弾きを練習しまくっていた時期にひとつ気づいたのが速弾きばかり耳にしていたら飽きる!!ということだ。実際インギーのスキルは半端じゃないけど曲調が全部同じに聴こえてくる様になり、次第に遠ざかっていた時に一つの音楽を耳にする。それがB'zの松本孝弘のソロ曲だ。

Mステでおなじみの1090の別バージョン。テンポはゆっくりだしフレーズ自体はそこまで難しくない。なのでコピーしてみたらこれが弾いていて気持ちがいい。それまでおろそかにしていたヴィブラートやチョーキングの楽しさに目覚めたキッカケになった。



速弾きの練習に躍起になっているギターキッズの諸君に言っておこう。ギターを長く続けているとテクニックよりも味が重要だと思う日がやってくる。今一度聞き手の立場になって考えてみよう。上手いだけのギターサウンドというのはいずれ飽きられる。だが味のある良いギターサウンドはいつまでも飽きられずに聴いてもらえるということだ。

ジミヘンの長尺のブルース曲であるRed House。ギタリストであるなら一度はブルースを聴いてコピーしておいて損はないハズだ。

スローテンポでほとんど歪ませないサウンドでギターを弾くのだからごまかしがきかない。リズムのタメやチョーキング、ヴィブラートのやり方を学べるのがブルースの素晴らしい所。

ギタリストとして唯一無比になりたいのであれば速弾きよりもヴィブラートやチョーキングで君自身のキャラを確立しよう。

インギーであれ松本孝弘であれジミヘンであれ優れたギタリストは皆ヴィブラートやチョーキングに特徴がある。12連符の速弾きよりも一音のヴィブラートの方が大事。と言われても今すぐに理解できないキッズもいるかもしれない。だが頭の片隅に置いておいても損はない。

実際、音楽プロデューサーの松任谷正隆が雑誌のコラムでいずれギターは味だと分かる時がくるみたいなことを言っていて理解が出来なかった16歳の自分が今はひしひしと意味が分かる様になって今じゃこんな記事を書いてますから。歴史は繰り返されるものです。では今日はこの辺で。