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90年代から誕生したクラブミュージックの分野の一つであるエレクトロニカ。自分も多大な影響を受けて作品作りのベースになってるジャンルですがこのジャンルはもう進歩するのが難しいんじゃないかなと思うんです。

自分もそうなんですがRadioheadのKid Aを聴いてからこの分野を知った人間は多いんじゃないんでしょうか?



リリースされたのが今からもう15年前になるんですね…。といっても今聴いても色あせない強烈なオリジナリティーとクオリティーは健在です。というかこういった作品が一位をとっていた時代とこのバンドの凄みが今考えても信じられません。名盤中の名盤です。

90年代にワープレコードの筆頭とも言えるエイフェックス・ツインのデビューをきっかけにエレクトロニカというジャンルが世の中に拡散していきました。自分は単純にRadioheadのトム・ヨークがよく聴いていたという情報を耳にしてそこから聴き始めたのがキッカケなんですがね。





ジャケットのインパクト大な笑顔の悪魔さとは裏腹に意外や意外にサウンドはスマートさがあったりどこか優し気があったりします。
クラブミュージックというのはフレーズの反復が基本中の基本なんですがこのアルバムはビートを一切繰り返さないんです。普通のキック四つ打ちとはまったく正反対の音楽です。
よくこれだけプログラミング出来たなとため息がつくくらい複雑なブレイクビーツの嵐、それとは逆にフワッとしたシンセサイザーの音の組み合わせが彼が発明した唯一無比のオリジナリティーですね。



そんな彼の最新アルバムがこちら。プロモーションの一環でエイフェックスマークの飛行船が世界中を飛び回っていたのが話題になりました。ジャケットに使用機材の名前もズラッと並んでます。

エイフェックスときたらその他のワープレコード系アーティストも紹介しておきましょう。この三組も含めて一時期はワープ系四天王とも呼ばれてました。(何かダサいし日本でだけだと思いますが)。
ここら辺のアーティストの音源は結構聴き込んだので今でも自分にとっての影響力は大きいです。



スクエアプッシャーの作品で言ったらこれが一番聴きやすいです。特に一曲目と二曲目は腐るほど聴き込んだなぁ。エレクトロニカとジャズやフージョンスタイルなベースサウンドの融合でエレクトロニカという音楽を進歩させた素晴らしいアーティスト。



次はオウテカ。こちらはヒップホップをベースにしたらしいですが全然そんな風には聴こえません。このブチッっとした音や痙攣したようなシンセのウワモノサウンドはどうやって作ってるのかトラックメーカーな自分としては彼らの作曲風景とか凄い気になる…。



最後にボーズオブカナダ。彼らもヒップホップの流れを取り入れたエレクトロニカの作品を発信しています。オウテカよりもは聴きやすいです。こちらの方が正統派なヒップホップ×エレクトロニカな作風になっています。これら4組のアーティストの中で一番作業用BGMに向いてます。

彼ら4組はシンセサイザーやサンプラーを駆使してそれまでにない風変りな音を構築していきますが時代を経て遂には雑音やノイズ音を加工したエレクトロニカを作るアーティストが台頭してきます。
オーストリア出身のアーティスト・クリスチャン・フェネスです。



それまで音楽を作る上で邪魔者扱いされていたノイズや雑音を音楽的に加工することで新しいエレクトロニカの可能性を提示したとも言えます。彼はギタリストでもあるのでギターノイズから出来た音で作曲するのが大半だとも言えますが。恐らく彼の登場でエレクトロニカは終着点に辿り着いた感があるんですよね。



こちらは代表作のエンドレス・サマーです。ノイズをここまで美しく音楽的にする人間は当時いなかったのでこの作品がリリースされた時はエレクトロニカ界に衝撃が走ったと同時にこのジャンルの終焉ではないかと色々騒がれた作品です。



こちらは坂本龍一との共作アルバム。こちらはピアノとギターのノイズだけで構成されてますが元がギターの音とは思えない帯状の音と浮遊感のあるピアノが非常に心地が良いです。寝る時のBGMにイチオシです。

エレクトロニカというジャンルはどういった音をサンプリングするか?どんなシンセの音作りをしていくかを求道してそれまでにない摩訶不思議なサウンドを作っていくということを課題にして作品作りをしていきますが、さすがに雑音やノイズまでを音楽的にしたらこれ以上新しいエレクトロニカを作るというのはもう不可能に近いんじゃないかと…。
なので結局生き残るのは90年代から2000年代初頭に話題作をリリースした先駆者だけになると思うんですよね…。
行きつくところまで行き着いたこのエレクトロニカというジャンルは他のジャンルと融合していくサブジャンル的な立ち位置になるかと予想してます。
メインディッシュの座からそれらを盛り上げる引き立て役になるという何とも言えない事態を皮肉にもこのジャンルを愛していたエレクトロニカ系アーティストが原因を作ってしまったのは悲劇的だと言えるでしょう。では今日はこの辺で。