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どこまでもエモーショナルで弱さすらもマイクを通して吐き出していくラッパーの神門…ふと思いついて調べてみても活動が更新されていないんですよね。いまどこにいて、何をしてるんだろうか?

こういう曲を聴かされると、やっぱりヒップホップはどんなジャンルよりも一番かっこいい音楽なんだと思い知らされます。どこまでも個人的な出来事をラップしてるのに多くのリスナーの心を突き動かすリリックに力強さを感じる。

豊かさのある社会が求められている今の時代より、数年前にすでに生き辛い世の中だなとビートにのせて歌っている。

「弱音はあの晩一度だけ もう吐かない虚勢も張らない」…俺ってスゲエを連呼する虚勢にも似た表現をするラッパーが多い中、弱さを正直に表現する神門みたいなラッパーこそが本当のリアルなラッパーなんだと思う。「オッズは富 名声 幸せ BETはたった一つ人生」…ヒップホップに人生を賭けた彼の続編が、「なら、こう生きよう」だ。

就職を選ばず、ヒップホップを生業にしていく決心をした様が見てとれるこの曲はトラックの内容も合わさって前向きな姿勢を感じる。「今日出来なくて明日やれるか?現世で出来なくて来世やれるか?」はハッとさせられる文句なしの名パンチライン。morohaがリキッドでワンマンをやった様に、神門にだってそんな大舞台でライブが出来るくらいの評価はされるべき。

さらにアルバムをリリースするごとに成長を感じ取れるのが曲名でも分かる。彼の3枚目のアルバムにノルマ地獄という曲があったが、そこから数年後ギャラ天国という曲も生まれて、活動ペースは順調に上がってきているのが分かるほどだった。

ただ、2013年のライブを最後にそこからピタッと音楽活動は停止してしまった。公式サイトをチェックしてみても全く情報が更新されていない。たった一度しかない人生をヒップホップにBETしてきたラッパーはどこにいったのだろうか?

なら、こう生きようを作った人とは同一人物だとは思えないぐらい歌詞の内容が後ろ向きになっているのがタイトルだけでも分かる。

だけど曲のラスト1分半でこれはネガティブな曲ではなく、挫折をしてでも好きな事を続けていこうとする意思の表れだということが明らかになる。

こんなに完成度が高く、ありのままをただ叫んでいる様に見えて、実はとても緻密に組み込まれているラップってあるんだろうか?

トラックの内容もピアノとドラムスだけ…それでも、音数とテンポの変更でラップの内容と上手くリンクさせることで、説得力を何十倍にも膨らませていることに成功しているし、なおさら彼が評価されない理由が分からなくなる。

こんな曲を作ったぐらいだから、ラップを辞めていることはないと思いたい。だけどライブ情報も新作の情報もインタビューも何も更新されていないあたり、ことの詳細は本人にしか分からない。

今はMCバトルのシーンが盛り上がりを見せている。だけどそれがヒップホップという音楽の売上に貢献しているかと言えば、まだまだ足りないぐらい。

だからこそ、神門の様なラッパーがピックアップされ、日本のヒップホップはダサいのが多いという概念を覆してほしい。彼にならそれが出来るハズ。いずれ生で見てみたいMCですね。では、今日はこの辺で。