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R&B界の重鎮プロデューサーである松尾潔のインタビューを読んでたら、彼がプロデュースしたm-floのcome againが無性に聴きたくなったので早速youtubeを使ってThe・タイムスリップ。

今から15年も前になるかと思うと、時の流れは早いなー。今の若い人が聴いてもラップの部分を抜かせば普通に聴けるぐらい色褪せてないんじゃないかと思う。古臭く感じるのはMVのガラケーだけですね。後はパーフェクトです。

これほど2ステップを独自に解釈して、洗練されたJ-POPはそんなになかったはずです。片田舎の街並みでもこれを聴きながら歩くだけで都会を歩いている様な高揚感に浸れるから凄い。

「Woo こっちからかけてもいいけど my pride gets in the way」という歌詞がありますが、英語と日本語を混ぜる場合、結構諸刃の剣なもので、バッチリはまればカッコいいんですけど、使い方を誤ればとんでもなくダサくなることが多いです。

この一節も歌詞だけ見れば、きどりすぎて空回りしてもおかしくないんですが、ハイセンスなトラックとLisaが歌うととても洒落乙な歌詞になるんだから面白いですよねぇ。歌詞っていうのは音楽になって初めて意味を持つんだなと。

サビ部分の歌詞で「金曜日のスカラに君を忘れに、踊り明かすよ今夜 切ないメロディーに涙しないようにクールにね」という部分がありますが、これは一見すると恋人に相手にされず、クラブで踊り明かす女性というどこか哀愁を感じさせるシチュエーションを歌っていますが、ここもまたトラックとメロディーライン、歌声が加わると、オシャレなんだけど切ないという不思議な雰囲気になります。重すぎず切ないけどオシャレな感じという絶妙なバランスで成り立っている訳です。凄いぞm-flo。
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出典:musicman-net

この曲はトラックが実に丁寧に作られていて尚且つ、メジャーでリリースする音源にしてはかなり冒険してます。ハープ音、バックで流れる優雅なストリングス、909や808のハイハット音、コード部分を担当するピアノ音、ラップ部分で流れるライブ感あふれるブレイクビーツにせわしなく動くベースライン…R&Bや2ステップの基本事項をしっかり押さえた軽快かつオシャレな雰囲気がたまりません。思えば、自分もトラック制作する時にR&B風となったらこのニュアンスを無意識にイメージして作る事多いですね…。

加えてこの曲の凄い所はコード進行が意外と複雑なのにメロディーラインがポップだから難解さを感じさせない所です。しかもベースがルート音を刻むだけでなく、ウネウネ動くのでコードの解析がちょっと難しい。難解だけどポップ…このアンバランスさを狙って作ることは本当に難易度が高くてそうそう出来ることではありません。

さらに、ここまで展開がハッキリ分かれているドラムパターンも珍しいです。大抵、ヒップホップやR&Bを主体にしたトラックだと、1つか2つのリズムが延々ループする作風が大半なんです。だけどcome againのリズムパターンはイントロ→Aメロ→A’メロ→サビ→ラップと全ての展開でパターンが違います。

それもドラムのリズムパターンにストーリー性があってメロディーラインの展開と上手い具合に噛みあっている訳です。正に曲作りに妥協するスタンスは一切見せないという職人肌を感じさせるビート。リズムパターンを少し作ってあとはループさせればいいやと思ってトラックを作ってる人とは雲泥の差…。

名曲は聴くたびに発見があると言われていますが、歌詞にしてもサウンドにしても15年経った今になって発見できる要素がこの曲にはありました。文句なしにJPOPの歴史に残る名曲だと思います。自分もこんな曲作れるよう精進。では今日はこの辺で。



個人的にsmoothはかなり聴き込んだコンピなので誰が何と言おうと思い出に残る作品です。松尾潔マジでリスペクトです。