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何を当たり前の事を…と思うかもしれませんがこれが出来てないバンドやアーティストって結構います。もちろん弾き語りといった最小限の編成の場合は話しが別ですが…。ライブを見るたびに折角良い音を出してる人達なのにボーカルの声は聞こえるが何を言っているのかよく分からない…という人達をよく見かけます。これ本当もったいないです。

今の時代、歌詞は非常に重要視される要素。
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アカペラでもない限り、バックのサウンドは言うまでもなく大事ですがそれ以上にお客さんが聞こうとしている点はズバリ歌詞です。斬新な音楽を作ろうとしても今の時代、アレンジや展開という点については散々やり尽された感があると言っても過言ではありません。もちろん一人一人の音楽家がもしかしたら時代を更新させる驚く様なアレンジを発明する可能性は無きにしも非ずですが…。

しかし歌詞という点ではまだ発明の余地がある要素だと考えています。少し話しがズレますが、今の時代は人と人の繋がり…いわば共感できるかどうかが過去の時代と比べてより求められている時代です。それはEDMやボカロ、アイドル系の音楽が全盛な今、より顕著に現れていることでしょう。これらのジャンルのライブに共通する事は、その会場にいる人達全員が一体化出来ることを重視しているという点です。
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話しを戻します。似た様な音楽が増殖してしまった今、自然とお客さんが関心を向くのはシンガーやラッパーが何を言おうとしているのか?という点です。楽器隊の生演奏の音量が大きくて歌詞が聞き取れないとなると、生演奏の部分とボーカルの声質だけで判断するしかありません。そうなってはそのバンド本来の良さが隠れてしまい、中々評価されにくいという事態に陥ってしまいます。

逆に、バックの演奏はこれと言って特徴がなかったけど歌詞に共感できる、または珍しい言葉選びで構成されてるのが面白くて、そのバンドを好きになったというケースもあります。恐らくこれからの時代は後者の方で評価されていくバンドが増えていくかもしれません。

どうすれば歌詞がお客さんに伝わるのか?

もちろんライブハウスのPAさんとのやりとりも重要になってきますがそっち方面は一旦置いといて、演奏する側で何とか出来そうな方法を考えてみます。

バンド編成の場合に限る意見かもしれませんが、楽器隊の音数を減らすことは有効な手段です。プレイヤーのスキル次第ですが、ボイストレーニングを積んで大きな声量を習得する期間の事を考えたら音数減らしの方が手軽と言えば手軽です。

例えばこちらのバンド、トリプルファイヤーは楽器隊の全体の音数が必要最小限にまで削られたアンサンブルを展開することによって、ボーカルの吉田のへなちょこボイスがはっきり聞き取れるようになっています。

これをシューゲイザーよろしく轟音にまかせたギターサウンドになってしまうと魅力が半減してしまうでしょう。やってる事はシンプルですがこのバンドは結構ギリギリなバランスで成り立ってます。




一番良い方法がボーカリスト自体がちゃんと訓練を積んで声量の大きい発声が出来る様になることかもしれません。そうすれば楽器隊のセッティングにもアレンジにも自由度が増しますからね。さすがに稲葉浩二ほどの声量を獲得することは難しいかもしれませんが、歌は上手いにこしたことはありませんし、ボーカリストの皆さんは声量アップに励んでみるのもアリでしょう。

あと個人的に思うことですが、良かれ悪かれロキノン系のバンドが台頭してきたあたりから、男性ボーカリストの歌唱力は全体的に下がった…というかおざなりになった傾向が見られます。今一度、歌唱力の向上が歌詞の重要さとリンクして求められる可能性は十分にあるでしょう。




ある意味振り切ったやり方ですが、ボーカル自体をいっそのこと楽器の音ととらえてあえて歌詞を聞き取れない様にしてしまうという方法もあります。このやり方はボーカリストの声質はもちろんですが何より発声法のスキルが非常に要求されるかと思います。

青木ロビンのこの歌い方は日本語なのか英語なのか…そもそもメッセージがあるのかすらも分からないぐらい聞き取れないボーカルになってますが、この声がなくてはDownyではないと思わせる強烈なオリジナリティーがあります。ある意味離れ業と言えるかもしれません。何を言っているか分からないけど良い声だという…メッセージというより音そのものによる快感が共感を生む訳ですね。



という訳で歌詞が聞き取れるかどうかについて語っていった訳ですがいかがだったでしょうか?作り手側からしてもせっせと自分が書いてきた歌詞はお客さんに伝わって欲しいと思うのは当然のことでしょう。

しかしバックの演奏やパフォーマンスに関心が向いてしまいがちなライブでは中々ここを意識出来ている人はあまりいない様に感じます。だからこそ今一度立ち止まって、歌詞を聞き取れるようにしておくことを重視するスタンスがこれからの時代に求められていくはずです。とにもかくにもまずは歌詞がダイレクトに近い状態で伝わる…そこを第一優先で音楽活動してみることで活路が見出せるかもしれません。では今日はこの辺で。